仮想通貨の税金と「節税方法」

マネーリテラシー・税金

どうもこんにちは。

インベスターUです。

今回は仮想通貨を取り巻く税金についてお話ししたいと思います。

皆さんは仮想通貨を持っていますか?

中には仮想通貨の利益で、億を超える利益を稼いだ人もいるのかと思います。

しかし、仮想通貨で儲かった人にとって悩みの種になるのは、恐らく「税金」でしょう。

仮想通貨取引を行なっていると、どんな時に税金をかけられるのでしょうか?

また、税負担を軽くする方法はあるのでしょうか?

この記事では、仮想通貨の基本的な税制を解説した上で、簡単に実行できる節税方法を3つご紹介します。

また、この記事では、一般のサラリーマンを対象として説明させていただきます。

個人事業主や法人を持っている方は、税理士に相談してみてください。

なお、この記事は、細かい点について説明するというよりは、大まかなイメージを掴んでもらうと言うコンセプトで作成していますので、その点、ご理解いただければと思います。

また、私は税理士のように税金のプロではないので、この記事の情報を100%鵜呑みにせず、自分で調べるなり、税務署や税理士に相談することを強くお勧めします。

〇「仮想通貨の利益の半分が税金で持っていかれる」という誤解

まず、よくある誤解の中に「仮想通貨のトレード利益の半分は税金で持っていかれる」と言うものがあります。

皆さんの周りにも、「仮想通貨の利益の半分は、税金の支払いで消える」と主張する人がいるかもしれません。

しかし、この主張は誤っています。

はじめに、仮想通貨の税制について詳しく解説しましょう。

まず、仮想通貨の利益には、所得税が課せられます。

所得税には、いくつも区分があり、仮想通貨の利益は、そのうちの1つである「雑所得」に分類されるのです。

それでは、実際に、どの程度、所得税を納めなくてはならないのでしょうか?

仮想通貨の利益である雑所得の場合、他の所得と合算した金額に対して、一定の税率をかけるのです。

これを「総合課税」と呼びます。

つまり、会社から受け取る「給与所得」などの額と合計して、そこに税率をかけることで、納めるべき税額が決まります。

かけられる税率は、こちらの通りです。

所得が増えるほど、税率も上がっていくのが分かりますね。

テーブル

自動的に生成された説明

出典:国税庁|No.2260 所得税の税率

この表を見ると、所得税の最高税率は45%。すなわち所得の約半分が税金で持っていかれます。

しかし、45%の税金がかけられるのは、年間の所得が4000万円を超える人だけです。

実際には、住民税がさらに10%かかるので、55%が税金の支払いに消えていきます。

したがって、仮想通貨の利益の半分が税金で持っていかれる人は、ごく一部なのです。

以上の通り、仮想通貨で得た所得は、会社からの給料など他の所得との合計で決まっていくと言うことを、まずは抑えましょう。

なお、前提知識として、サラリーマンの給与所得であれば、職場が源泉徴収で所得税や住民税を労働者の代わりに払ったりしてくれるので、特に気にする必要がなかったと思いますが、雑所得が20万円以上になれば、自分で確定申告の必要があります。

一言で言うと、仮想通貨のトレードなどにおいて、年間20万円以上の利益が出ていれば、確定申告及び納税の義務が発生します。

トレードのみならず、パンケーキスワップなどのDeFiなどで利息を得た場合は、その利息の合計額が年間で20万円を超えたら確定申告が必要です。

裏を返せば、19万9999円の利益であれば、確定申告は不要です。

なお、年間の利益ですので、年度ではないです。

つまり、1月1日から12月31日までの仮想通貨のトレードや利息の合計利益が20万円を超えたら確定申告の必要があると言うことです。

この時、12/31日時点で含み益が20万円分あるかどうかではなく、あくまで、確定利益が20万円あるかどうかで判断されます。

つまり、1/1日にビットコインを購入し、12/31日までに一回も利益確定をせず、そのまま保有していると言う、単に「ホールド」し続けている状態であれば、12/31日時点で含み益が20万円を超えていたとしても、一度も円や他の仮想通貨を使って利益確定していなければ、確定申告の必要はありません。

また、職場の副業規定などを心配し、できれば仮想通貨所得があることを隠したいと言う方もいるかと思いますが、そういう方は確定申告時にある工夫をすることで職場にバレるリスクを抑える方法もあります。

それは、確定申告書上、住民税の徴収方法を「普通徴収/自分で納付」と「特別徴収」を選択する箇所があるのですが、その際に「普通徴収/自分で納付」を選択すればバレるリスクは相当抑えられると言われています。

誤って「特別徴収」を選択してしまうと、会社に住民税の請求が行ってしまい、会社の人事や会計課から「この人はなんで、同期よりも住民税が高いんだろう?何か副業しているのかな?」とバレてしまう恐れがあるので注意しましょう。

仮想通貨の収入分に関する住民税を「自分で納付」するようにすれば、自分で納付する手間は発生しますが、会社に税金の請求は行かないので、職場にバレるリスクを抑えることができます。

むしろ、こうした確定申告書の書き方以前に、副業がバレる場合で最も多いのは、確定申告をしなかった場合や、飲み会などで副収入があることを言いふらしてしまうことが、ほとんどですので、その点を注意する方が大事です。

納税は国民の義務ですが、そのことは一旦置いておいて、副業が職場にバレないようにしたい人こそ、確定申告はきちんとしておいた方が良いです。

このことは、ネットの記事でも沢山、方法が書かれているので調べてみてください。

〇どういう時に課税されるのか

次に、仮想通貨の利益と言っても、一体何をしたら税金がかかるのか分からない方も少なくないと思いますので説明します。

仮想通貨同士の取引で利益がでた場合に税金がかかるのか?

それとも、円に変えた時に税金がかかるのか?

について、よくわからない方もいるのではないでしょうか。

どういう時に課税されるのかについて、説明したいと思います。

課税対象となる利益が生じるケースを3つお伝えします。

①売買で利益が発生した時

1つ目は、仮想通貨の売買で利益が出た時です。

仮想通貨を安く購入し、値上がりしたタイミングで日本円に換えれば、その差額が課税対象となります。

例えばビットコインが100万円の時に円で買い、220万円になったタイミングで円に変えて利益確定すると、120万円の利益ですよね。

この120万円は課税対象となり、給与所得などと合算して所得税額を求める事になるのです。

②仮想通貨の決済で利益が出ていた時

二つ目は、仮想通貨の決済で利益が出た時です。

例えば、ビットコインを使用して何か買い物した時、そのビットコインについて利益が出ていれば、課税対象になるのです。

これは、税法上は、ビットコインで物を購入した場合、仮想通貨を、一度日本円に換金した、つまり利益確定した、と認識されるためです。

仮に皆さんが1ビットコインを10万円で取得したとしましょう。

その後、10万円で買ったビットコインは30万円まで値上がりしました。

そして、あなたは30万円のビットコインを使ってパソコンを購入したとします。

このケースでは、パソコン購入の時点で「ビットコインを日本円に両替した」と判断されるのです。

つまり、10万円で取得したビットコインを30万円の時に売却したことになり、差額の利益分である20万円が課税対象になります。

このケースであれば、儲かったビットコイン全額を使用すると言う単純な例なので、確定申告時の計算は楽です。

ただ、次の場合は、計算が面倒なものとなります。

1BTC=10万円の時に1BTCを購入し、1BTCが40万円まで値上がりしているとします。

そのビットコインを使って10万円のものを購入したら、何円が課税所得になると思いますか?

この時、1BTCは40万円ですので、10万円=0.25BTCとなります。

1BTC=10万円だった購入当時、0.25BTC=2.5万円でしたので、0.25BTCの価値は2.5万円から10万円まで増加しています。

そのため、10万円分で買い物をする際は、0.25BTCを支払いに使用することとなりますので、0.25BTC分について、いくら儲けたかを考えることとなります。

0.25BTCの価格はビットコイン購入当時の2.5万円から10万円まで増加しているので、利益となっている差額の7.5万円が課税所得となります。

非常にめんどくさい計算になることがわかるかと思います。

ビットコインなど仮想通貨でモノやサービスを購入するのが一回であれば良いですが、回数を重ねる度に更に計算が複雑になっていくのは想像ができるかと思います。

結論としては、現在の日本の税法上のルールに従えば、確定申告を楽にしたいのであれば、仮想通貨で物やサービスを購入しない方が良いと言うのが感覚的にわかっていただけるかと思います。

③別の仮想通貨に買い替えて利益が出た時

別の仮想通貨への買い替えは、いま説明した「仮想通貨の決済」と同じ扱いです。

例えば20万円で取得したビットコインが、40万円に値上がりしたとします。

そして40万円分のビットコインを使い、イーサリアムを購入しました。

この時、イーサリアムを購入しているので、実態としては「ビットコインを日本円に両替した」わけではないにも関わらず、税法上は「ビットコインを日本円に両替した」と判断されるため、差額である20万円が課税対象となるのです。

なので、ビットコインのレートがイーサリアムとの交換時点で、日本円でいくらなのか、また、この時、イーサリアムが日本円でいくらなのかを一々計算した上で、利益分を算出する必要があります。

一年間に数回のトレードしかしない人であれば、計算も簡単ですが、実態としては、何度も仮想通貨を購入することとなります。

また、実態としては、例えば、1BTC=10万円の時に、1BTCを購入し、1BTCが40万円に値上がりした時に、0.25BTCをイーサリアムに変え、その後、ビットコインが更に値上がりし、1BTC=50万円になった時に、日本円で更に1BTCを購入し、そのBTCを使って、他の仮想通貨を購入し・・・・、など実態としては、非常に複雑な取引を行っていると思います。

この時に、全ての取引において、AコインとBコインの交換において、いくら利益が出ているのかを追うのは、相当大変なことだと思います。

Aコインの取得単価を計算し、AコインとBコインの交換時の日本円価格を一々算定するなどの作業が必要となるからです。

ここに、DeFiの利息収入などが入ってきたりすると、もう訳がわからなくなります。

こうなると、計算が複雑すぎて、エクセルを使って、交換時の仮想通貨Aと仮想通貨B

が交換時点で、それぞれ日本円でいくらなのかなどを計算したりする必要があります。

考え方としては、先程、ビットコインで物を購入した例と同様に、取得単価や取得数量をもとに、交換時の利益分を按分したりして計算したり、単位あたりの仮想通貨の取得単価と利益確定単価を計算し、一回一回の仮想通貨の交換の度に納税対象額を算出する必要があります。

少し難しい話をしてしまいましたが、国税庁のH Pにも計算方法の考え方が載っていますので、そちらをもとに計算することになります。

ただ、数字やExcelなどを使うことに弱い人には、正直、かなり厳しい作業だと思います。

こういう方は、税理士にお願いするのが最も楽かと思います。

確定申告は、必ずしも税理士にお願いする必要はなく、自分で行うこともできますが、確定申告書類に税理士の押印があると、税務調査が入りにくくなるという話は税理士の方が言っていました。

また、一般的には、サラリーマンの仮想通貨を含む確定申告書類の作成を税理士にお願いする場合、もちろん程度の差や地域差はあると思いますが、20万円くらいが相場かと思います。

この20万円は雑所得の申告上、経費参入することができる場合が多いようです。

つまり、年間100万円の仮想通貨の利益がある時では、雑所得は100万円となりますが、20万円の税理士報酬費用がコストとしてかかる場合、差額の80万円を雑所得として計算することが認められる場合が多いです。

詳しくは税理士に相談してみましょう。

なお、税理士としても、仮想通貨の確定申告書類作成は、割りに合わないとして嫌煙される傾向にあるようです。

ましてや、確定申告が近づく時期にお願いしても、忙しいことを理由に門前払いされるケースが多いようです。

遅くとも12月中には税理士に相談を行い、3月の確定申告作業をお願いするのが良いかと思います。

税理士への相談は早ければ早いほどいいです。

そもそも仮想通貨取引に強い税理士は限られているので、取り合いになるからです。

仮想通貨取引に対する素養がない税理士にお願いするとなると、取引の内容や仮想通貨の仕組みから説明するなど、依頼主である皆様に思いがけないコストがかかることとなります。

〇仮想通貨の節税対策

ここからは、仮想通貨利益に対する税負担を軽くするための方法を解説します。

すぐに実行できる方法を3つ用意しましたので、ぜひ試してみてくださいね。

①20万円以上の所得を出さない

仮想通貨の所得が20万円を超えていなければ、所得税は課せられません。

そのため、20万円以上の利益を出さないようにすれば、税金を納める必要がないのです。

それでは、所得を20万円以上にしないようにするための方法はあるのでしょうか?  

1つ目の方法は、「利益確定しないこと」です。

利益確定とは、購入した仮想通貨を日本円や他の仮想通貨に替えることです。

先程も触れましたが、仮想通貨の購入後に値上がりしているだけの状況、つまり「含み益がある状態」であれば、税金は課せられません。

税金を課せられるのは、「日本円や他の仮想通貨の交換した時」です。

つまり、20万円分の含み益が発生していたとしても、仮想通貨を売らずに持っていれば良いのです。

そうすれば利益は発生しないので、税金を納める必要もありません。

所得を20万円以下にできる、もう1つの方法は「損失を確定させること」。

もし、含み損を抱えている仮想通貨があるなら、12/31までに意図的に売却し、損失を確定させる方法をオススメします。

意図的に損失を増やすことで、利益を圧縮して納税額を減らすことができます。

これは、株式投資やFXでも取られる合理的な手法です。

例えば、皆さんが仮想通貨を売却し、年間で50万円分の利益を確定させていたとしましょう。

利益は20万円を超えているため、この50万円には税金が課せられてしまいますね。

しかし、その後に、12/31までに40万円の損失を確定させれば、最終的な損益は10万円に圧縮できます。

利益は20万円を下回ったので、この10万円に税金はかかりません。

このように利益と損失を相殺することを「損益通算」と呼びます。

損益通算して、仮想通貨の利益を20万円以下にすれば、所得税の負担から逃れられます。

②経費を計上する

2つ目の節税対策は、経費の計上です。

仮想通貨投資で必要になった費用は、経費として計上できます。

経費を計上すれば、課税対象収益から控除できるため、税負担を軽くできるのです。

それでは、どんな支出が経費として認められるのでしょうか?

経費になる可能性があるのは、仮想通貨の勉強で使った書籍の購入費・セミナーや勉強会の参加費・取引手数料・送金手数料・ハードウェアウォレットの購入費・マイニングマシン購入費用・税理士への報酬などです。

ただし、経費とみなされる支出に基準はなく、税務署によっても見解が異なりがちです。

セミナー会場へ行くための交通費や、仮想通貨投資に使ったスマホ・パソコンの購入費、電気代・通信費、WiFi代、場合によっては家賃の一部も経費として認められることもあります。

そのため「経費になるかも」と思った支出は、ダメ元で計上してみると言うこともあり得ますが、税理士にお願いするのであれば、税理士に確認してみましょう。

いずれにせよ、レシートや領収書は取っておきましょう。

③ふるさと納税や法人設立などの方法

他にも節税対策は多くありますので、様々な方法を活用すると良いでしょう。

節税対策にはふるさと納税などが挙げられます。

また、かなり大きな利益が出てしまった場合は、法人を設立して経費参入項目を一気に増やすといった方法や税率を下げる方法、また、海外移住を数年間行い、日本での納税を免れると言う裏技的な方法もあり得ますが、「このままじゃ利益が出過ぎるなあ」と思った場合は、早めに税理士に相談するとアドバイスをもらえると思います。

法人を設立するにしても、12/31日ギリギリだと間に合いませんので、余裕を持って相談することをお勧めします。

〇仮想通貨の節税における注意点

最後に、仮想通貨の節税において注意すべきことを解説します。

1つ目は、仮想通貨の損益通算についてです。

仮想通貨で損益通算できるのは、年内における仮想通貨同士の損益のみです。

株式投資での損失と、仮想通貨の利益は損益通算できませんが、ビットコインの損失とイーサリアムの利益なら損益通算できます。

このように仮想通貨の利益は、FXや株式投資、不動産投資で発生した損失とは、基本的に相殺できません。

2つ目は、繰り越し控除についてです。

繰り越し控除とは、年内に発生した損失を、翌年の利益と損益通算することを指します。

仮想通貨では、繰り越し控除ができません。

もし繰り越し控除ができるなら、年内に発生した損失を翌年の利益から差し引き、翌年の税負担を軽くできます。

繰越控除は株式やFXでは可能ですが、仮想通貨では認められていません。

しかし、仮想通貨の場合、損失分を損益通算できるのは、その年内だけです。

この点は注意しましょう。

〇まとめ

以上、いかがでしたでしょうか。

今回は、仮想通貨の税金上の取扱と簡単にできる節税方法についてお話ししました。

端的に言うと、2021年現在の国税庁が示すルールは、仮想通貨取引を行っている方の実態が全く考慮されていない内容となっており、確定申告のハードルがとても高いものとなっています。

先程もお伝えしましたが、税理士への報酬は、雑所得上、コスト認識できる可能性が高いため、早めに税理士にお願いするのが良いと思います。

なお、税理士報酬をコスト認識できると税理士が判断するのであれば、税理士へ支払う報酬が増えるほど、納税額が減ることになるなど、結果的にお得ですから、税理士報酬はケチらない方が良いと思います。

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