テクニカル分析 <移動平均線>

チャート分析

どうもこんにちは。

インベスターUです。

本日は、株トレード、FXトレード、仮想通貨トレードなど様々な相場を分析するための一つである「移動平均線」について丁寧に解説いたしますので、ぜひ最後までお付き合いください。

ちなみに、記事の構成は、定義、特徴、使い方、テクニック、弱点となっています。

チャートの形状から相場を分析するテクニカル分析には多くの手法がありますが、その中で最も基本的であり、よく使われているのが、「移動平均線」です。

移動平均線だけしか見ないというトレーダーも中にはいるくらい重要なテクニカル分析です。

まず、移動平均線の基本について解説します。

画像内の滑らかな「紫色」「青色」「赤色」の線が、「移動平均線」

定義

「移動平均」とは、大まかに言うと、「直近の一定期間のレートの平均」のことを指します。

例えば、「10日移動平均」というのは、今日を含む直近10日間のレートを平均した値のことを指します。

一般的には、「〇〇本移動平均」「〇〇日移動平均」という呼び方をします。

これは、直近〇〇本のローソク足のレートを元に、移動平均を計算することを意味します。

例えば、「25本移動平均」は、直近25本のローソク足を元に、移動平均を計算することを意味します。

特徴

移動平均には、3つの特徴があります。

1つ目は「動きが滑らか」です。

チャートをローソク足で分析しようとすると、上がったり下がったりが頻繁に起き、ジグザグしたものになりますが、移動平均線は値動きを平均化したものなので、滑らかな線で表示されます。

2つ目は「トレンドの表現」です。

移動平均線は、値動きのトレンドを表す傾向があります。

相場が上昇傾向の時、ロウソク足は直近の平均値である移動平均線よりも上に位置します。

また、ロウソク足が移動平均線上に落ちてきたときに反発するサポートラインとしての機能があります。

一方で、レートが下落傾向にある時は、ロウソク足は直近の平均値である移動平均線よりも下に位置します。

また、ロウソク足が移動平均線上に上がってきた時に反発するレジスタンスラインのような機能があります。

このように、ロウソク足と移動平均線の位置関係を確認すれば、相場が上昇傾向なのか下落傾向なのかの判断に使用できます。

また、一般的には、「〇〇本移動平均」の「〇〇」の数字が大きいほど、その反発効果は大きいとされます。

例えば「5日移動平均線」よりも「200日移動平均線」の方が反発される可能性が高いとされています。

実際にトレードする場面では、数秒、数分間の短期トレードであれば、短い時間軸の移動平均線を使い、デイトレードやスイングトレードといった中長期トレードにおいては長い時間軸の移動平均線を使用したりします。

また、移動平均線の傾きが大きいほどトレンドの強さが強いということも分かります。

この時は、移動平均線まで下がったり上がったりしてきたら、相場の流れの方向にエントリーするという順張り戦略が基本となります。

逆にいうと移動平均線が真横に伸びている場合は、トレンドが中立的なボックス相場ということがわかり、直近の高値や安値で逆張り戦略を取るというのは有効です。

3つ目は、「ポジションの平均取得コストの表示」です。

移動平均線は、大まかに言うと、その平均期間での全投資家の平均取得コストを表します。(厳密には出来高を考慮する必要があります。)

例えば、ドル円のチャートで今日の25日移動平均線が100円だとします。

この場合、直近25日間でドル円を取引した投資家は、平均100円でドルを売買したことになります。

移動平均線よりもローソク足の方が上にあれば、買い方は平均的に利益が出ている状態です。

例えば、ドル円の移動平均線が100円で、現在のレートが1ドル=101円なら、買い方は平均して1ドルあたり1円の利益が出ている状態です。

一方で、売り方は含み損を抱えている状態です。

このことから、ローソク足が移動平均線より上にある時は、買い方は含み益があるため、精神的に有利な状態にあるなど、トレーダーの思惑を知るための一つの要素になります。

使い方

移動平均線を使った典型的な買いサイン、売りサインとして、ゴールデンクロス、デッドクロスがあります。

これは短期と中長期の移動平均線を用いて、2本の位置関係をもとにトレンド転換を判定する分析手法です。

基本的には、期間の違う2本の移動平均線を一緒に見て、交差するタイミングでエントリーするという方法をとります。

図では赤色の短期線(20日線)と水色の中期線(75日線)の2本で分析してますが、自分の手法に合わせた期間設定が必要です。

①のように短期線が中期線を下から上に抜けた時が買いサイン、②のように短期線が中期線を上から下に抜けた時が売りサインとなります。

中期線の向きも重要です。

中期線に傾きがなく横を向いている場合のゴールデンクロスデッドクロスは、中期的には相場に動きが無いことを表しているため、一時的な値動きで終わってしまい、結果的にトレンド転換にならないことがあります。

一方で、中期線が上を向いている時に、短期線が下から上にゴールデンクロスした場合のロング(買い)エントリーや中期線が下を向いている時に短期戦が上から下にデッドクロスした場合のショート(売り)エントリーは、中期的にも短期的にも同じ方向に相場が動いていることを意味しているので、使い方としては理にかなっていると言えるでしょう。

ちなみに、私の場合は、相場にトレンドが発生している際に、その反発されているのが、どういう線の影響で反発されているかを常に考えています。

要するに、世界中のトレーダーがどのテクニカル分析に基づいているかを探します。

これができれば、世界中のトレーダーが意識しているポイントがわかるので、その意識しているポイントで反発する可能性が高いということが事前に分かります。

私の経験上、移動平均線であることが多いです。

例えば、長期トレードをしていて、200日移動平均線を表示しているとした時に、相場が200日移動平均線上で反発していない、つまり移動平均線が機能していないことが確認できたとします。

この時、世界中のトレーダーは200日移動平均線を見ていないということがわかります。

このため、200日を例えば、100日や150日に設定を変えてみて、反発されているポイントと移動平均線が重なる時間軸を探せるまで設定を変えるということを行います。

うまく見つかれば、しばらくその設定のままトレードします。

また機能しなくなったら、設定を変えて機能している、あるいは機能しそうな移動平均線に変更するということをします。

ぜひ、「宝探し」感覚で試してみて下さい。

テクニック

移動平均線を用いたチャートの基本分析に、「グランビルの法則」というものがあります。

アメリカの投資関係のジャーナリスト、ジョセフ=グランビルによって提唱された法則です。

元々は、株式のチャートで売買タイミングを判断するために考えられた法則ですが、FXにも応用できます。

グランビルの法則では、移動平均線とローソク足の位置関係から、エントリーのタイミングを判断します。

買い売り、それぞれに4通りの法則があります。

買いポイント

1  移動平均線が横ばい〜上向き始めた時、終値が移動平均線を上抜けした時

2 移動平均線が上昇している時に、終値が移動平均線を下回り、再度上抜けした時

3 終値が上昇している移動平均線より上にあり、移動平均線に近づいて下降したがタッチせずに再度上昇した時

4 終値が下降し始めた移動平均線を下回り、大きく下に乖離した時

売りポイント

5 移動平均線が横ばい〜下向き始めた時、終値が移動平均線を下抜けした時

6 移動平均線が下降している時に、終値が移動平均線を上回り、再度下抜けした時

7 終値が下降している移動平均線より下にあり、移動平均線に近づいて上昇したがタッチせずに再度下落した時

8 終値が上昇し始めた移動平均線を上回り、大きく上に乖離した時

弱点

最後に移動平均線の弱点を説明します。

移動平均線は、過去の値動きの結果、現在の平均値がどうかという状態を示しているため、常に過去の値動きを後追いして変動します。

このように、移動平均線ではワンテンポ遅れる「タイムラグ」が発生するため、相場に先行して未来を予測するということには、実はあまり長けていません。

これを解消するために、実態として複数のテクニカル手法を使用し、複合的な視点でチャート取引を行うことになります。

とはいえ、移動平均線は世界中の多くのトレーダーが間違いなく使用しているものなので、移動平均線上で「反発するんじゃないか」と意識されていることは間違いありません。

このため、相場の動きを考える上で、外せないテクニカル指標だと個人的には思っています。

また、移動平均線のこうした「タイムラグ問題」を解消するために、平均化する際により直近のデータを重視するように比重をかけてタイムラグ問題の影響を小さくしようとする「加重移動平均線」という移動平均線の発展系もあります。

こちらを使用したりして、色々と試してみてください。