NFTがもたらすアート革命とメタバースとの相互関連性について

NFT 仮想通貨・ブロックチェーン

どうもこんにちは。

今回は、話題沸騰中のNFT!

この記事では、「NFTって聞いたことあるけど、よくわからない。」といった初心者向けの解説となっています。

皆さんが記事をご覧になるときに、これから説明する情報が更新されていたり、もしかしたら、誤解を招く表現を使っている可能性もあるかもしれませんが、あくまで「NFTの全体像のイメージをつかんでもらう」と言うことを重視しておりますので、その点、ご容赦いただければと思います。

それでは、早速説明を始めていきたいと思います。

2021年3月、アートの歴史に革命が起きました。

アメリカ在住の40歳の男性アーティストの作品『Everydays』が、オークションで約75億円という、破格の高値で落札されたのです。

この『Everydays』は、作者が2007年から約13年間、毎日1枚ずつコツコツと、自分のホームページで公開してきた絵画作品5000枚を、すべてつなぎ合わせて1枚の画像に仕上げた、コラージュ作品の一種です。

1980年代の不動産バブル景気の頃、ゴッホの代表作『ひまわり』の原画を、日本の会社が約58億円で落札し、世界を驚かせたニュースを知っている方もいるでしょう。

あれはあれで凄かったのかもしれませんが、今回の落札額は、さらに17億円も高額です。

それにしても、どうして75億円ものとんでもない価格が付いたのでしょうか。

ゴッホの『ひまわり』といえば、世界的に有名な芸術家による作品の中でも、特によく知られている代表作で、原画はこの世界に1枚しかありませんし、ゴッホは亡くなっていますので、これ以上新たな作品が生み出されることもありません。

そういう人の作品が高値で取引されるのは理解できます。

しかし、今回の『Everydays』の作者は、まだ生きているアーティストですし、知名度としても「知る人ぞ知る」くらいです。

しかも落札されたのは単なる画像データです。

それが75億円という超高額で落札された理由のひとつが、「その画像データを所有できる権利が、世界でただ一人にしか与えられないから」、「その権利は誰も勝手にコピーできないから」、「それがまだ珍しい存在だから」という点でしょう。

インターネットは、データを簡単にコピーできるからこそ、ここまで発展してきました。

アプリをダウンロードするのも、YouTubeに動画をアップロードするのも、メールなどで友達に写真を送るのも、全部、データを複製する行為です。

しかし、『Everydays』は、デジタルデータの画像なのに、コピーできません。

より正確には、世界でただひとり「これは自分のものだ」と主張できるよう、特別に処理されている画像データです。

このように、他の人がコピーできないよう、特別に処理されたデジタル上の権利のことを「NFT」といいます。

「N F T」とは、Non-Fungible Token(ノンファンジブル・トークン)の略で、「代替ができない権利データ」という意味になります。

インターネット上のデータなのに、ノンファンジブル、つまり、他に替えが効かない、代替不可能、これがNFTの最大の特徴で、今、世界から注目を集めているのです。

NFTに関連するトークンの市場規模は、2021年3月の時点で約2兆円です。

これから更に市場規模が拡大していくことは間違いありません。

美術品の収集家の中には、「世界にただひとつしかない」「自分以外に誰も持っていない」という点に価値を見いだして、「なんとしても手に入れたい」と言う人もいます。

今回『Everydays』が出品されたオークションハウスは、18世紀に始まり、250年以上の歴史がある「クリスティーズ」でした。

このような伝統と信頼で裏付けられたオークションハウスが、デジタル画像のNFTを出品したということで、芸術に造詣の深い世界中のパトロンたちが安心して入札に参加できたのでしょう。

それで、オークションでの競争が過熱していき、その結果、75億円まで値上がりしたのだとみられます。

NFTを使う前、『Everydays』の作者の作品は、最高で1枚約10万円の値段しか付かなかったといいます。

まさにNFTドリームを掴んだ例と言えるでしょう。

国内に目を向けてみると、日本国内の美術品マーケット規模は、2018年時点で約2500億円とされていて、年々着実に伸びています。

他方で、世界美術品マーケット規模は約7兆円と巨大です。

日本では美術品を資産として所有する意識がまだ薄いために、美術品マーケットはまだ発展途上だと考えられています。

また、日本のアニメなどは世界中で愛されており、日本の漫画やアニメといったコンテンツは、日本が誇る輸出産業の一つと言えますが、コピー版が出回るなど、本来の強さをいかせていません。

これからNFTの力を借りて、これらの市場は急速に伸びていくものと考えています。

高い値段が付く有名な美術品なら、ニセモノがつくられて出回るリスクもありますが、見る人が見れば、本物とニセモノをちゃんと見抜くことができます。

しかし、データとなっている動画・画像・音楽・文章などは、いくらでも簡単にコピーできてしまいますよね。

しかも、どれがオリジナルなのか分からなくなってしまい、作者の手を離れて、コピーが一人歩きする作品もあります。

何千人、何万人によってタダでコピーされたあげく、改造されたりするなど、作品をつくった本人には、ほとんどお金が入ってこないことも多いです。

世間から自分が作者であることも知られないのって、結構悲しいことですよね。

そんな厳しいオンライン芸術の世界に、救世主として現れたのが、NFTです。

そのデジタル美術品の所有者が世界に一人しかいないことを証明する権利データです。

それでは、なぜ、NFTはデジタルデータなのに、世界でただ一つの権利だと保証できるのでしょうか。

このNFTを裏で支えている仕組みが、ブロックチェーンです。

ブロックチェーンといえば、暗号通貨(仮想通貨)を連想する人もいるでしょう。

世界で初めてブロックチェーンが採用された例がビットコインであることは有名です。

ブロックチェーンとは、平たくいえば「誰かが勝手に書き換えることができないデジタルデータ」です。

最新の履歴が、世界中のたくさんのコンピュータに分散させる形で保存され、常に更新されています。

誰かが勝手に数字を書き換えられないブロックチェーンなら、お金としても安心して使えるようになりますね。

そして、「誰かが勝手に書き換えることができない」というブロックチェーンの特徴を、お金以外の目的でも使おうとする動きも始まっています。

お金以外の目的でも使える有名な暗号通貨が、ビットコインに次ぐ時価総額の「イーサリアム」です。

イーサリアムには、通貨とともに契約情報なども記録しておくしくみがあります。

この契約情報も、誰かが勝手に書き換えることができません。

これを「スマートコントラクト」といいます。

直訳すると「賢い契約」ですね。

NFTこそ、スマートコントラクトを応用した例なのです。

今回、『Everydays』のNFTでは、このイーサリアムのブロックチェーンが使われました。

スマートコントラクト、ブロックチェーンを使用することで、「世界にひとつしかないものを、あなただけが所有しています」と言うことを誰にも改竄されない形で証明できるわけです。

スマートコントラクトは、イーサリアム以外の暗号通貨でも採り入れている例がありますので、徐々にNFTも身近なものになっていくでしょう。

作家のデジタル芸術作品を保護することの他にも、NFTを応用できる例があります。

たとえば、芸能人・スポーツ選手などのサイン、私物、限定グッズなども、やはり「世界でひとつだけのもの」を持っているというコレクターの喜びがあります。

このため、NFTでその所有権を管理することとも相性がいいと考えられています。

また、トレーディングカードの世界でも、NFTに期待が寄せられています。

カードゲームで使ったときに強力な効果があり、しかも人気で数が少ないトレーディングカードは、1枚数万円、数十万円の高値で取引されることがあります。

このカードゲームをオンライン上で楽しめれば、世界中のプレイヤーを相手にできます。

希少で強力なカードが絶対にコピーされたり、盗まれたりしないようにしておかなければ、コレクターは納得しませんよね。

そこで、NFTにより「このカードはあなたのものです」と、みんなに向けて証明してくれるしくみになります。

もちろん、NFTで裏付けられたデジタルトレーディングカードなら、オンライン上で交換したり、売り買いしたりすることもできるのです。

現実世界では、「相手がお金を払ってくれるまで、カードを渡さない」だとか「自分がカードを渡したのに、相手がカードをくれない」、「そもそも偽物を渡されるかもしれない」といった問題がありますが、ブロックチェーンを活用することで、こういった問題やインチキは全て解決されます。

また、カードゲームで勝ったら、「相手の好きなカードを一枚もらえる」と言うルールで遊んだのに、いざ勝利したあと、負けた相手が「あげるもんか!!」と駄々をこねた経験がある方もいると思います。

でも、ブロックチェーン上に、こうした最初に約束したルールを記録しておけば、必ず履行されることになりますので、こうした問題からも開放されます。

トレーディングカードの国内市場規模ですが、2011年に1000億円を超えたのをピークにいったん落ち着きました。

しかし、2017年頃から再び伸び始めて、2019年には1100億円を記録しています。

日本玩具協会の調べでは、トレーディングカードは、あらゆる玩具のジャンルで最も成長率が大きいマーケットとされています。

これからNFTで稀少なカードがオンラインでも交換できるようになれば、ますます伸びていくに違いありません。

トレーディングカードのNFTに近い使い道として、オンラインゲームで使えるアイテムをNFTで認証するような動きもあります。

どのプレイヤーが、どのアイテムを持っているのかをNFTに記録しておけば、その事実を誰も勝手に書き換えてチート行為をおこなうことができません。

今までプレイしてきたオンラインゲームのサービス提供が終了したとしても、もし、別のゲームでそのアイテムを使うことができるようになれば、今までゲームに費やしてきた時間や労力、課金も無駄にならず、プレイヤーが安心できますね。

もちろん、自分で作成したオンライン上の武器やアイテムをN F Tとして販売することもできます。

近い将来、大人気シミュレーションゲームの『マインクラフト』でも、プレイヤーが獲得したアイテムの所有権がNFTに書き込まれる計画があります。

世界中にたくさんのファンがいるゲームですから、遊び方もさらに広がっていくでしょうね。

さらに、これからVRなどが発達して、仮想現実の世界を中心に生きていく人も現れるかもしれません。

仮想現実世界で手に入れた商品についても、所有権を主張するためにNFTが採用されることがありうるでしょう。

そうなれば、仮想現実での商品の売り買いや貸し借りなども加速していき、さらに可能性が広がっていきます。

また、なんらかのWebサービスの「オンライン会員権」も、NFTを使えば、そのサービス提供企業から離れて、個人間で会員権を売り買いできるようになります。

たとえば、まだ利用期間が残っているオンラインサロンを、途中で解約するとき、今まではその権利を放棄しなければなりませんでした。

しかし、そのサロンの会員権がNFTに書き込まれていれば、その残った会員権を他の人に売ったり、あげたりすることができるので、無駄がありません。

そして、すでにN F Tバブル真っ只中、あるいは、N F Tバブルの序章が始まっていますが、将来的に普及したり、値上がり見込みのあるNFTを安く買い取り、うまく高く売り抜けて儲けを出す、転売目的での取引も増えてきています。

では、NFTってどこで買えるの?売れるの?と気になってくる人も多いと思います。

暗号通貨の取引所と同じように、すでに、NFTの取引や交換を行える、専用のマーケットプレイスが続々と現れています。

たとえば、デジタル芸術や著名人グッズの分野でしたら、Nifty Gateway(ニフティ ゲートウェイ)やSuperRare(スーパーレア)などが海外で人気です。

また、Opensea(オープンシー)は、オンラインゲームアイテムやトレーディングカードなどのNFT取引に強みがあるマーケットプレイスです。

国内では、メタップスアルファ社のmiime(ミーム)、スマートアプリ社のnanakusa(ナナクサ)、プラチナエッグ社のTOKENLINK(トークンリンク)などが注目されています。

ミームは、すでに暗号通貨取引所コインチェックの傘下にあります。

どちらもブロックチェーンの関連事業という点で、暗号通貨取引所とNFTマーケットプレイスは似ていますね。

お互いのノウハウを生かしあいながら、これから伸びていくのかもしれません。

NFTはインターネットの歴史を大きく変える転換点になるでしょう。

大げさではなく、人類にとっての情報に対する価値観も大きく変える仕組みともいえます。

原始時代や古代~中世ごろまでは、物や情報がとても貴重でした。

森や草原、海や川などで、食べ物や飲み物をたくさん持ち帰ってくる人や、それを分け与えられる人には、さらに良い物が手に入るチャンスがありました。

このような人は、他人を味方に付けたりコントロールしたりすることができました。

貴重な獲物や果実などがたくさん手に入る場所や方法に詳しい人も、社会で大切にされました。

次に人類は、貴重な物や情報をたくさん増やしていく方法を考えました。

実がなる植物や食べられる動物を自分たちで育てて大量生産するのが農業・畜産業です。

魚も養殖して、遠くの海まで出かけなくても簡単に採れる方法を編み出しました。

食べ物をたくさん貯めて保存する方法も考え出しました。

産業革命によって、モノの大量生産ができるようになりました。

人は情報も大量生産できるようになります。

そのきっかけは、14世紀にグーテンベルクが活字での印刷技術を発明したことです。

同じ本をコピーして大量に作れるようになったことで、それまでは王室や宗教家ぐらいしか持っていなかった学問の知識が、一般大衆に出回るようになります。

これにより、聖書が普及してキリスト教が大衆にも浸透しました。

大衆に聖書が行き渡ったことで、「教会の教えって、おかしくね?」と気づいた人々がルターと一緒に宗教改革に乗り出しました。

ヨーロッパで苦境に立たされたキリスト教のカトリック派は、海外に行き場を求め、ザビエルが日本にキリスト教を布教しにやってきましたね。

それから月日が流れ、人類は電波を使って、ラジオやテレビなど同じ映像や音声をたくさんの人に見せる技術も発達しました。

しかし、映像や音声を発信する権利は、長い間、テレビ局やラジオ局が独占してきました。

そういう情報発信の権利を誰でも簡単に持てるようにしたのがインターネットです。

誰でも、ほとんどタダで情報を発信し、タダで情報を受け取れるようになりました。

ネット上では、情報のコピーが爆発的に増えています。

YouTubeだけでも現在、1秒間に約10時間分の動画が世界中からアップロードされているといわれています。

私たちが視聴している動画なんて、ネット空間にあるうちの、ごくごく一部でしかなく、ほぼすべての情報には一生触れることはありません。

便利な時代ではありますが、その分、ネット上に転がっているデジタル情報は、あまり大切なものとして扱われなくなりました。

文章や動画なんて、いつでも見られますし、掃いて捨てるほどあるのです。

そこで、NFTです。

インターネットって、今までは、動画や画像、音声などを簡単にコピーして、自分のものにできることが、人々にとって大きな喜びでした。

しかし、NFTによって「誰にもコピーされない自分だけのデジタルデータ」を所有することこそを喜びだと感じていく人が増えていくはずです。

アナログの世界では、土地・芸術品・宝飾品・クラシックカーなど「世界にひとつだけのもの」が非常に高値で売り買いされることが当たり前になっています。

NFTが、同じようなやりとりをデジタルの世界でも実現させる時代の幕を開けました。

はたして、これからどんな未来が私たちを待っているのでしょうか?

仮想現実(V R)空間の世界で生きていくと言うことはワクワクすると思いますが、これは新たな差別・格差を生むと私は考えています。

要するに、「この人は信頼できない人間だ」などと言うことがブロックチェーンに記録されると、改竄されませんから、仮想空間で、個人の「信用指数」のようなものが見える化されてしまうと、誰も信用の低い人からN F Tを購入することはしません。

ブロックチェーン技術の進化と言うのは、「トークン・エコノミー」をもたらしましたが、それは、つまり、「信用経済」のスタートでもあります。

資本主義世界において、仮に敗者であっても、バーチャルの世界で「信用指数」が高い人間は、お金を稼ぐことができる可能性があります。

資本主義の世界で敗者であり貧しかったとしても、「あいつは信用できない」とは言われませんが、バーチェルの世界で個人の信用が見える化され、「あいつは信用できない」と言うことは有り得ます。

要するに、資本主義でも敗北し、バーチェルの世界でも敗北すると言うことは、「信用できないし、お金も稼げないどうしようもない人間だ」と人間性を根本的に否定されるような事態になり、これまでには無い格差が生まれるような気がしています。

こうしたことを踏まえ、次の世界で生き残るためにも、信頼を獲得するためにどうすればよいのか、どんなスキルを磨いておけば良いのか、はたまた、人間性を高めるためには、どうすれば良いのかと言ったことが、我々はブロックチェーンと言うテクノロジーに問われているのです。

大事な視点は、今のうちにインターネット上の各種サービスなどにおいて、自分の信用の高さを記録しておくと言うことなのかもしれません。

ちなみに、私は、S I R Iやアレクサには、いつも「ありがとう」と言うようにしています(笑)

この点については「メタバース」の記事で深く解説しているので、一緒にご覧ください。

以上、いかがでしたでしょうか。

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